アニメージュ編集長
松下俊也 氏


アニメージュの松下と申します。「BLOOD」という作品は本当に傑作だと思います。短い時間なんですけれども内容のたっぷり凝縮したエンターテイメントに仕上がっていて、実に良く出来た作品だったと私個人も感銘を受けました。こんな日本刀を持ったセーラー服の少女が活躍するというような題材でこういう作品を作れるのは多分、いま北久保さんしかいないんじゃないかというふうに思っています。

で、これを作った北久保さんという方がどういう人かと言えば、本当に作品1本作るたびに命をすり減らしているようなですね、非常に誠心誠意、全身全霊をかけて作品を作られる方で、従ってキャリアとしては随分長いんですけれども非常に寡作の人で知られています、というような面も考え合わせまして新進の演出家というような賞ではあるんですけれども今回、北久保さんに是非この賞を授与いたしまして、さらに命を削っていただいてどんどん良い作品を作っていただきたいなというふうに個人的にも思っています。

ということで北久保さんおめでとうございます。


北久保 弘之 氏

え、感慨にふけっている場合ではないですね。何か言わねば。本当に嘘をつかずに正直にお答えいたします。はじめこのアニメーション神戸で個人賞を受賞することになったよという知らせを石川社長から伺った時に、辞退させていただけないでしょうかという話をしました。

あのもちろん賞をいただけるというのは非常にありがたいことで、こんなうれしいことはないんですけれども、でも鉄人・宮崎駿クラスだったらともかく、こと商業アニメーションに関して先ほど「とっちー」であれだけの多くのスタッフが作業しているのはみなさんもご覧になっていると思います。集団作業でそれぞれの専門分野のトップクオリティーのクリエーター達がひとつの方向にまとまって一生懸命力を注いでくれてこそ作品が出来上がるのであって、そういう商業アニメーションの世界にずっと身を置き、個人賞っていうのはとてもちょっと自分は気後れしてという話をしたんですけれども。

社長にボンと背中をたたかれまして胸はってもらってこいと、お前を選んでくれた審査員の方々もいらっしゃるんだ。そういう自分をこの賞に推薦してくださった方々、応援してくださる方々、そして何よりも自分達の一生懸命がんばって作った作品を見てそれを少しでも好きになってくださる方々のそういう気持ちを自分も受け止め、これは自分の作品に力を注いでくれたスタッフが自分に与えてくれたものだというふうにそういうふうに理解して、だからどうかみなさん、どうかこれはスタッフみんなで受け止めた賞だというふうに、そういうふうに受け止めさせてください。どうもありがとうございました。