授賞部門
アニメーション神戸特別賞

otsuka
大塚康生
■プロフィール

昭和6年生まれ。
幼少の頃から、蒸気機関車などのメカに興味を持ち、戦後全国を走 り回った連合軍のジープに魅せられる。1957年東映動画に入社。 主な作品は、劇場版長編「太陽の王子 ホルスの大冒険」「ルパン三世カリオストロの城」や、TVシリーズ「未来少年コナン」「ルパン三世」(作画監督)。現在はテレコム・アニメーションフィルムで顧問/作画監督として活躍中。また、日本を代表する軍用車両研究家でもあり、CD-ROM画集「OHTSUKA YASUO MILITARY 4X4 GRAFFITI」を制作。International Military Vehicle Preservation Association会員。MILITARY VEHICLE JOURNALを主宰。


■当日のコメント

大塚康生

どうも過分な賞をいただきまして感激しております。私はアニメーションを始めてか ら、アニメーションは職人だと思っておりまして、たまにアニメーション作家だなん て言われると必ず訂正しまして「作家じゃありません。動かす専門家です。」という ふうに申し上げております。今の映像をご覧になると非常に古い、古色蒼然とした感じがすると思います。日本では、アニメーションはお金がかかりますから、労働集約産業というか、大変人手がかかるものですから、なかなかお金が使えない。その低予算で、いかに見せられるかという映画をこの30年間、日本のアニメーションの現場の人は大変苦労して作ってきました。枚数少なくて、予算が少なくて、スケジュールが少なくても面白いものをつくるんだってことを、先程の映画はみな、もの語っているように思うんですね。ただ、ディズニーのように、大金をかけてきちっとつくると、その動かし方を端折らないでたっぷり、じっくりみせる、そういうアニメーションもありますが、演技力を見せるアニメーターというのは、潜在的に日本にたくさんいると思うんですね。私、今、たまにジブリやテレコムというところで原画の研修をやっておりますが、素材としての日本の若い人の器用さと、あるいはその能力というのは非常に高いものがあるのに、現場ではなかなかそれを生かすことができない。お金はかけられないという意味ですね。こうして神戸のように社会的認知が進んでくれば、条件が整えば、日本からもっと本格的にものを動かして見せる、エンターテインメントフィルムとしてのアニメーションの動きの面白さを出せると思います。カット割りの面白さじゃなくて、動きの面白さを見せることのできる潜在的な能力は、日本のスタッフは非常にレベルが高いと私は常日頃思っております。まぁ約40年ですが、アニメーションをやってきて非常に面白かったものですから、若い人には必ず「こんな面白い仕事はないよ」「1回やったらやめられないよ」ということを言って、もの事の考え方を主に話すようにしています。技術的なことは諸君の方がはるかに私より上手になってると思います。本当にありがとうございました。


■授賞理由

大塚康生氏は、日本のアニメーション草創期より、30年以上の間、アニメーターとし て第一線で活躍されてきました。「太陽の王子 ホルスの冒険」「ルパン三世」「未 来少年コナン」などの作品で、大塚氏が描いた人間味あふれるキャラクター、絶妙な タイミングによるアクションは、数多くのファンに支持され、後に続くアニメーター に多大な影響を与えてきました。また、現在もテレコム・アニメーションフィルムの 顧問/作画監督として、後進の育成に取り組まれています。この長年の功績を讃え、 今後の益々のご活躍を祈念し特別賞を授与します。

電撃B-magazine編集長 有永真仁



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