映像の表現手法は、デジタル技術の飛躍的発展によって、どのようなものでも表現できるような域にまで達し、アニメーションは実写と区別つかないほどになっています。ハリウッドでは、俳優が演じられる部分については、CGのキャラクターを用いないルールを設けようというくらい、その表現はリアリティーを増しています。

 このように、ハリウッドでは特殊撮影を売り物にしていない実写のドラマでも、 光学系の機材を要する撮る映像だけでなく、コンピューターなどを使って作り上げる映像、つまりアニメーションの部分を含むようになっていて、光学系の実写映像とアニメーションの融合がはかられつつあります。

 一方、わが国では、実写映画にアニメーション的な映像表現を取り入れた作品が 現れ、また、アニメーション監督が実写映画の演出を行う企画が複数進行中です。 このようにアニメーションからの実写へのアプローチがわが国では起こっており、 ハリウッドとは逆のベクトルからアニメーションと実写の融合が始まっています。

 さらに、CGの技術を蓄積したビデオゲームのプロダクションが多数、フルデジ タル・アニメーション制作の意志を表明し、わが国ではアニメーションを中核として、コンテンツ産業の再編が起ころうとしています。

 以上のように、アニメーションは、旧来の意味でのアニメーションという枠組みを越えて、アニメーションの役割はますます重要性を増し、実写とアニメーションを区分することすら困難になってくるでしょう。

 アニメーション神戸は、わが国固有の表現手法として成熟したアニメーションの 伝統を継承しながら、デジタル技術の発展を背景に、アニメーションを中核として映像表現とコンテンツ産業を向上させるために寄与したいという目的で作られたものです。アニメーション神戸が目指したこういった主旨は、最近では広く認識されつつありますが、この会が、今後一層、アニメーションに関係する表現者を支援し、国際的な情報交流の場として成長することを望んでいます。

アニメーション神戸'97実行委員会委員長 
浜野保樹(メディア教育開発センター助教授)


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